人の体の生体防御機能とHIV感染について
1.防御機構のひとつとしての、皮膚、粘膜があり、そう簡単には病原体は体の中には侵入できません。
更に体の中には、リゾチームがあり、病原体の侵入を防ぎ、血液の中には病原体を食べて無毒化する白血球がいます。
2.次ぎに人が生まれながらに持つ自然免疫(自然免疫は、抗原性とは関係なく即座に応答する。)として、補体、レクチン、TLR、NK細胞、胸腺外T細胞、NKT細胞などが、病原体の感染を防御しますが、これらで防御が出来なければ、感染が成立してしまいます。
3.人が生まれてから、生体が外界との接触によって得られる獲得免疫に関与するT細胞、B細胞が存在していますので、これらの細胞が認識した病原体に対する生体防御システムも感染予防に働いています。
※自然免疫は、免疫学的記憶がなく、人が生まれながらに持っている生体防御システム。
※獲得免疫は、一度体の中に侵入した病原体に対する免疫防御で、抗原依存性(病原体に対する)ですから、感染予防が働くには一定の期間(潜伏期間)が必要となります。
例を挙げれば、麻疹に感染すれば、最初の感染では、病気を引き起こしますが、麻疹が治癒すれば、生体は麻疹のウイルスに対する免疫を獲得することから、次ぎに麻疹のウイルスが侵入しても、免疫機能が働き、感染することはありません。
本来人の持つ免疫が極端に低下すると、免疫機能が正常なときには、人に悪さをしない病原体が、人に悪さをするようになります、これが日和見感染症です。
HIVに感染して、免疫機能が低下すると日和見感染症に感染するようになるのが良い例です。
人は地球上に出現してから、多くの環境の変改に適応してきました、その間多くの病原体と戦ってきて、現時点まで生きながらえてきています。
これは、薬のない時代に人の体の持つ免疫機能によって、病原体から体を守ってきた事に他なりません。
本来人の体は、ある一定の防御機能があることから、病原体が侵入しても、無毒化して体を守っていますが、これは人が長い期間にわたって獲得してきた免疫機能です。
人が新たな病原体に遭遇した場合は、病原体の毒力が弱ければ、感染発病することは少ないですが、毒力が強ければ、人は感染して死亡してしまいます、しかし人の免疫機能は、この新しい病原体に対しての免疫機能を獲得していき、やがて感染しても症状が軽くなったり、感染しなくなります。
しかし、毒力があまりにも強すぎると、免疫機能が十分働かず、感染発病が次々に起こり、死亡していきます、このような病気は数多くあります。
HIVも初めて人が遭遇した新しい病原体のため、免疫機能が十分作用せずに、次々と感染者が増加しているわけです。
HIVは、人の免疫機能を低下させることから、生体の持つ免疫機能が働かないわけです。
HIVは一度感染すると、体の免疫機能で、HIVを無毒化したり、体内から排除することが出来ず、血液中のリンパ球の中に入り込み、そこで複製増殖を繰り返して、リンパ球を食い荒らすことから、リンパ球が少なくなることから、体の免疫機能を低下させていきます。
また、HIVを殺したり無毒化する薬剤もなく、予防ワクチンかも存在しないことから、HIVには感染しないように予防対策を取るしか、現時点では方法がありません。
治療法のないHIVに感染して命を粗末にするような行為は、厳に慎むことが大切です。
しかし、人の本能の一つの性欲をコントロールすることは非常に難しいことです。
さりとて、命と引き替えに危険な行為を貴方はしますか?
よくよく考えて行動する必要があります。
どうしても性遍歴の分からない人と性行為をするときには、必ずコンドームを使用して、感染予防に勤めることが最も大切なことです。
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