梅毒患者の勢い未だ止まらず!!!
2016年第1~16週(1月4日~4月24日)の報告数は1114人と、前年同時期の報告数(2015年第1~16週、計561人)の2倍となっています。
このままのペースで患者が増え続ければ、年間3000人を突破するのも時間の問題となってきています。
梅毒患者は男女ともに増加していますが、特に女性の増加が顕著で2010年~2015年の5年間で約6倍に増加し、患者数は5年間で4倍以上に増加しています。
日本国内における梅毒患者は、抗生物質により1990年代に入ってからは年間1000人を下回り、近いうちには根絶されると考えられていました。
ところがさにあらず2010年を境に増加に転じ、2015年の報告数は2698人と、2010年の4.3倍となり、男女別ではそれぞれ3.9倍、6.2倍となり、女性の増加率が際立っていま。
しかし相変わらず患者数の7~8割が男性ですが、女性患者の大半が15~35歳であることも大きな問題となってきています。
なぜなら梅毒トレポネーマに感染している女性が妊娠すると、早産や死産、重い胎児異常をきたす恐れがあるからです。
無論男女を問わず、梅毒トレポネーマ感染を放置しているとさまざまな臓器が冒され、精神障害を引き起こしたりし最悪死亡することがあります。
感染するような行為をした場合は必ず梅毒血清検査を受けることです。
そして梅毒トレポネーマに感染していた場合は早期に適切な治療を開始する必要があります。
梅毒トレポネーマに感染していて治療せずに性行為やオーラルセックスをすることにより、感染者を雪だるま式に増加させることになります。
しかし、何より大事なのは、感染しないよう各人が注意することの一言につきます。
現在の梅毒患者急増の背景には、不特定多数との性行為の増加が要因と考えられています。
梅毒トレポネーマは、性的な接触(梅毒患者の粘膜や皮膚との接触)などによっていとも簡単に感染します。
性器と性器、性器と肛門、性器と口の接触などが梅毒トレポネーマの原因となります。
梅毒トレポネーマに感染しても初期症状で陰部、口唇などのしこりを見逃してしまうことが多く、梅毒トレポネーマ感染を自覚しないまま相手に感染させることが蔓延の原因となっています。
早期梅毒(第1~2期=感染後約3年間)の患者は、相手に感染させる可能性が極めて高く1回の性行為で感染させる確率は30%以上と推計されています。
梅毒の病原体である梅毒トレポネーマの感染力は非常に強いことを忘れてはいけません。
一般的に梅毒トレポネーマはコンドームの適切な使用で感染リスクを減少させると言われていますが、確かに感染リスクは低下しますが完全には感染予防は出来ません。
梅毒トレポネーマの感染を予防するには、何より不特定多数との性行為を避けることです。
厚生労働省も『コンドームの適切な使用によりリスクを減らすことができる』と強調していますが鵜呑みにしてはいけません、梅毒は陰部や肛門、口腔以外の場所にも潰瘍などの病変が生じ、それに触れることにより感染してしまいますからコンドームだけでは完全に感染予防は出来ません。
HIVのように梅毒トレポネーマはコンドームでは感染予防できないことと、オーラルセックスでも簡単に感染することを認識しておく必要があります。
梅毒について何故この様に何度も何度も記事にしますのは、HIV感染者の約半数が梅毒に感染しているとの報告があるからです。
HIV/AIDSの専門家の間で梅毒患者を診れば、HIV感染を疑えとまで言われています。
現在、梅毒が大流行している影には、HIVの流行もあると考えるべきです。
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