免疫再構築症候群とは-1.発生機序-
一般的にCD4が200/μL未満のHIV感染者に発生することが多く、多剤併用療法(HAART療法)を始めてから4ヵ月ぐらいまでに急に起こることが多い様です。
世界的にみても、HAART療法を受けた人全体の16.1%に発症するという報告があり、わが国においても8.7%に発症するという調査報告があります。
免疫再構築症候群が起こる原因としては、HIVに感染後に症状の出ない無症候期であっても、体内では常に少しづつHIVは増加しています。
体内でのHIVの増加により免疫の指令を出すCD4陽性リンパ球細胞の数は徐々に減り、少しづつ免疫が低下することから、何らかの病原体が体内に入ってもその病原体を無毒化し排除することが出来ないことから、病原体は体内に隠れている状態になります。
このような状態下でHAART療法を開始すると急激に体内のHIVの量は減り、CD4陽性Tリンパ球数が増加し、免疫機能が回復してきます。
その結果として体内に隠れていた感染症の原因となる病原体や、炎症性疾患の元となる抗原に対して、正常な免疫反応が起きることにより急に日和見感染症が発現したり、炎症性の病気が再発したり、急激に悪化したりするようになるのです。
要するにHIV感染によって免疫不全に陥っていた身体にHAART療法の効果が現れ免疫が正常化したということでもあります。
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