HIV検査の種類について-5.NAT検査-
核酸増幅検査(Nucleic Acids Amplification Test)のことです。
この検査は、ウイルスを構成する核酸(DNAまたはRNA)の一部を約1億倍に増幅(数を増やす)し検査を行うことから非常に感度と特異性が高く、ウインドウ・ピリオドの短縮を可能にします。
NAT検査は、日本赤十字社の血液センター専用の検査方法で、医療機関や保健所で受けることは出来ません。
血液センターでは1999年からNAT検査を導入しています。
血液センターのNAT検査は、HIV、HBV、HCVの検査を同時に行う検査法です。
従ってNAT検査が陽性になるとHIV、HBV、HCVのそれぞれの個別NAT検査を実施してどれが陽性かを鑑別する必要があります。
血液センターのNAT検査は、HIV-2の検出も可能となっています。
※リアルタイムPCR検査はHIV-2を検出できません※
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HIV検査の種類について-4.イムノクロマト法による迅速抗原抗体検査-
これらは血清、血漿及び全血中のHIV-1の抗原であるp24とHIV-1及びHIV-2抗体の検出をおこなう第四世代(抗原+抗体)の迅速HIVスクリーニング検査試薬です。
両者とも特異性と感度はほぼ同一です。
【検査を受ける時期】
1.HIV-1の抗原であるp24を見つけるためには、不安な行為から30日で受けるのが最善。
※50日までは信頼できる結果は得られますが、不安な行為から50日を超えると血液中のHIV-1の抗原であるp24の量が少なくなっていくことから見逃し偽陰性となる確率が高くなります。
2.HIV-1とHIV-2の抗体を見つけるためには、不安な行為から12週で受ける必要があります。
【結果の解釈】
1)不安な行為から30~50日で陽性・・・HIV-1の感染の疑い
2)不安な行為から12週で陽性・・・HIV-1又はHIV-2の感染の疑い
※どちらに感染しているかは、再度HIV-1とHIV-2の検査を個別に実施する必要があります※
3)不安な行為から12週で陰性・・・HIV-1とHIV-2共に感染は否定。
4)不安な行為から30日で陰性・・・HIV-1の感染は否定できるが、HIV-2の感染は否定できていないので、12週で陰性を確認する必要があります。
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