病院でのHIV感染はあるのか??
1.注射器
病院で使用する注射器は全てディスポーザブル(使い捨て)を使用して、ひとりひとり新品を使いますから、採血及び注射からのHIV感染は起こりえません。
注射器の使い回しはありません。
2.手術
手術に使用する器具は、全て滅菌消毒をした物を使用しますから、感染は起こりえません。
3.内視鏡検査
内視鏡も全て消毒滅菌することから、内視鏡検査からの感染は起こりえません。
滅菌方法としては、感染力の非常に強いHBV(B型肝炎ウイルス)の滅菌消毒に準じて行うことから、感染力の非常に弱いHIVは完全に死滅することから感染は起こりえません。
日本で、今までに病院での採血・注射・手術・内視鏡検査及びその他の治療でHIV感染が発生した事例はありません。
それでは外国ではどうなのでしょうか?
HIV感染による初期症状?下痢?
まず、下痢とは何かという事の解説から始めます。
下痢とは、健康時の便と比較して、非常に緩いゲル(粥)状・若しくは液体状の便のことを言います。
主に消化機能の異常により、人間を含む動物が患う症状です。
通常、便は大腸内にて水分を吸収された上で排出されることから、固形状の便となりますが、何らかの原因で水分を多分に残したまま便意を催して排出されるのが下痢です。
下痢の起こる原因は??、
食べ過ぎ・早食いによる消化不良
食あたり・水あたり・食べ合わせが悪かったとき
毒キノコや貝毒などの有害物質による食中毒
細菌やウイルスに経口感染して起こる食中毒
冷たいものの飲み過ぎ・飲酒・刺激物の取りすぎ
海外で日常食べ慣れないものを多量に食べたとき
乳糖不耐症の者が牛乳のような乳糖を含む食品を多量に摂取したとき
神経性の消化不良
飲み薬の副作用
職場・学校などのストレス
※HIV感染など病気の心配から発生する精神的ストレス
それでは、初期症状としての下痢とはどのようなものなのでしょうか?
HIVにさらされたが感染しなかった場合、HIVは完全に体内からなくなるまでの間に、体内にはどれくらいの期間、どれくらいの量のHIVが存在するのか??
身体の免疫作用で排除されなかったときは、感染直後から体内でHIVは直ぐに増殖します。
その為、感染した当日から血液の中にはHIVは存在し、その時点から相手に感染させる危険性はあります。
感染初期は、血液の中でHIVは非常に多く存在しますから、感染初期は特に感染させる危険性が高くなります。
当然、精液・カウパー液・膣分泌液の中には多くのHIVが存在します。
この時期、血液・精液・カウパー液・膣分泌液の中HIVの量は、体内に入ったHIVの量と感染した人の身体の状態で異なることから、どれくらいの量が存在するかは具体的な数値は示せません。
確かなことは、感染初期は非常に多くのHIVが存在することは確かです。
その為、感染初期にコンドーム無しの性行為を行えば、感染の確率は非常に高くなります。
感染して、HIV抗体の出来る時期、即ち2?6週以降は、血液中や精液・カウパー液・膣分泌液の中HIVの量は感染初期に比べて少なくなりますが、この時期でも感染する危険性は当然あります。
生理の前後にコンドーム無しでの性行為をするとHIVに感染するリスクは非常に高くなる??!!
その為コンドーム無しの性行為をすれば、男性が感染者の場合、精液中のリンパ球の中にいるHIVはいとも簡単に感染してしまいます。
また、女性が感染者の場合も、膣分泌液よりHIVが多く存在する血液から、ペニスに出来た傷口や尿道粘膜から、簡単に感染してしまいます、
生理の前後に、コンドーム無しの性行為をすることは、男性にとっても、女性にとっても感染のリスクが非常に高い危険な行為です。
生理の前後は、女性にとって膣内の粘膜がひ弱になり、傷つきやすいことから、女性の身体を気遣いこの時期には性行為を慎むべきです。
どうしても、性行為をしなければならない時は、必ずコンドームを正しく使用すべきです。
コンドーム無しの性行為をした後に、ペニスを洗ったり、排尿すればHIVの感染は防げるのか??
避妊用フィルムや避妊用ゼリーを膣内に入れていれば、コンドーム無しの性行為をしてもHIVに感染しないのか?
今日はこのことについて簡単に解説してみます。
避妊用フイルムやゼリーは、精子を殺して避妊を目的としてものです。
その為、精子を殺しても、精液中の白血球の中にいるHIVを殺すことはありません。
従いまして、男性がHIV感染者であれば、当然相手の女性は、HIVに感染する可能性はあります。
また、女性が感染者であれば、避妊フイルムや避妊ゼリーは膣分泌液の中の白血球の中にいるHIVを殺すことはありませんので、男性にHIVは感染する可能性はあります。
避妊用フィルムや避妊用ゼリーを使用していても、コンドームを正しく使用しないと、お互いHIVに感染してしまいます。
抗生物質を事前に服用していれば、コンドーム無しの性行為をしてもHIVに感染しないのか??
抗生物質の多くは、カビや細菌の出す物質から作られたものが多く、代表的な抗生物質としては、青カビから作られるペニシリンが有名です。
今日では、微生物が産生する物質に化学変換・修飾をほどこした抗生物質も多く登場しています。
最近では合成技術の発達により、抗菌力を持った化合物を人工合成することが可能となりました。
化学的に合成されたものは、上の定義からはずれるため抗菌剤と呼ばれることがあります。
抗生物質は、生体に感染した、有害な病原体を殺すために使用されます。
即ち、細菌が生体内で増殖するのに必要な代謝経路に作用することで、細菌にのみ選択的作用して、細菌を殺す働きをしますが、生体にはほとんど影響を与えません。
それでは、この抗生物質を事前に服用しておき、コンドーム無しの性行為をした場合、HIVには感染しないのでしょうか?
パイプカットをした人とコンドーム無しの性行為をしてもHIVには感染しないのか?
パイプカットとは、『両側精管結紮切除術 』と呼ばれます。
男性の睾丸から精嚢への管を外科手術的に閉塞する方法で、これを行うと精嚢腺に精子が貯蔵されなくなり精嚢腺と前立腺から分泌される精液に精子が存在しなくなります。
パイプカットを行っても精液自体は無くならず、射精することは可能です。
精液の中に精子が含まれないために、妊娠させることはなくなります。
射精時には精液を放出することから、男性自身の性的満足感は、全く変わりありません。
それでは、パイプカットした人が、HIV感染者であった場合、コンドーム無しの性行為をしたとき、HIVに感染しないのでしょうか?
男性同性愛者のHIV感染者が急増!!!
スマタ行為からのHIV感染はあるのか??
スマタによる性感をペニスに及ぼすには、強い摩擦行為が必要となります。
スマタ行為で強い摩擦行為を行うと、ペニスと股との摩擦で双方に痛みがあることから、潤滑剤としてローションと呼ばれるものが使用されることが一般的です。
それではこのようなスマタ行為でHIVに感染することがあるのでしょうか?
1.男性側
行為を行うと、女性が性的に興奮して膣分泌液が出てきますが、この行為では、ペニス全体が膣分泌液で覆われるような状態とならないことから、感染力の非常に弱いHIVの感染リスクはまずありません。
また、膣分泌液がローションに混ざり、ペニス全体を覆っても、膣分泌液がローションで薄められる事からして、感染のリスクはまずありません。
気をつけなければならない事は、スマタ行為を行っていて、誤って膣に挿入する行為に発展すれば、HIVの感染リスクは高くなります。
HIV感染による初期症状?口腔カンジダ症?
口腔カンジダ症は、初期症状の約1割程度に見られます。
そもそもカンジダ症とは何なのでしょうか?
カンジダ症はカンジダ属菌種(真菌に属するカンジダ・アルビカンス)により引き起こされる日和見感染症の一種で、皮膚・粘膜を侵す表在性カンジダ症と、消化管、気管・気管支・肺、腎・尿路系、その他の深部臓器を侵す深在性カンジダ症(内臓カンジダ症)に大別されます。
口腔カンジダ症はその病型により偽膜付着を伴う紅斑性または、びらん性粘膜や白色肥厚性粘膜など多彩な肉眼像を呈し、時には潰瘍を作ることがあります。
カンジダ・アルビカンスは病原性がほとんど無い口腔内常在菌で、健康人にカンジダ症が発症することはまずありません。
一般に、この病気が発生する発生原因としては、悪性腫瘍、血液疾患、免疫不全症、結核および糖尿病などの基礎疾患の存在があげられています。
このような基礎疾患を持たない場合の罹患者は、乳幼児、老人、妊婦などの体力や抵抗力の弱い人がほとんどです。
また抗生物質療法によって口腔内常在菌のバランスが崩れ、しばしば菌交代現象として口腔カンジダ症が起こる場合もあります。
それでは、HIV感染における口腔カンジダ症とはどのようなものでしょうか??
第四世代の抗原抗体検査と第三世代の抗体検査の違いは?
PA法やエライサ法による検査方法で、HIV-1とHIV-2に対する抗体を見つけることが出来ます。
不安な行為から12週で検査を受けることにより、信頼できる結果が得られます。
この検査を8週前後で受けたときの信頼性はどうなのでしょうか?
HIVに感染して身体の中にHIV抗体の出来る時期は2?8週の間に出来るとされています。
しかし、抗体の出来る時期は人によって異なることと、抗体が出来ても検査で見つかる量でないと感染していても陰性となってしまいます。
8週で信頼できる結果が得られるというのは、2?8週で抗体ができると言われていることに由来しています。
8週で抗体が出来ていても、検査で見つかる量でないと信頼できる結果は得られません。
そのことから、全ての人に検査で見つかる量の抗体の出来る時期、12週で検査を受ける必要があります。
tag : HIV HIV抗体検査 第四世代の抗原抗体検査 HIV-1 p24抗原
献血者のHIV陽性者について
2008年の10万人当たりの陽性件数は、2.065となり、陽性者数も、過去最高となっています。
2009年1?3月までの献血者数は、1,299,689件で、28件がHIV抗体陽性で、そのうち1件がNAT検査のみ陽性となっています。
10万人当たりの陽性数は、2.154となり、3ケ月間だけで、2008年を上回っています。
このことは、日本国内でHIV陽性者数がかなりの速度で増加していると見るべきです。
今後、まだまだHIV陽性者数は増加するでしょう
血液センターでのNAT検査は、HIV-1とHIV-2を見つけることが可能なために、検査目的で献血をする人がいることは事実です。
不安な行為から11日以前に献血をすれば、NAT検査でも見落とし、血液中にHIVの存在する血液が患者に輸血され、HIVに感染する危険性があることから、検査目的の献血は絶対にすべきではありません。
不安な行為をして、感染が心配なときは、保健所で抗体検査を受けることです。
献血者におけるHIV抗体陽性者の実態について
HIVに感染して、身体の中にHIV抗体が出来た場合、自然にHIV抗体が消失することはあるのか??!!
一度身体の中に出来たHIV抗体は、その後身体の中から消失することはあるのでしょうか??!!
HIVに感染して、身体の中に出来るHIV抗体は、『感染抗体』です。
このHIV感染抗体は、その人がHIVに感染しているという証拠の抗体です。
このHIV感染抗体が、HIV抗体検査で見つかることは、その人がHIVに感染している証拠です。
その為に、HIVに感染しているかどうかを調べるためにHIV抗体検査を実施します。
このHIV感染抗体は、一度身体の中に出来ると、その人が死ぬまで消えることはありません。
幾ら抗HIV薬を服用して治療しても、身体の中にHIVが存在する限り消えることはありません。
HIV抗体が消えることがあるという報告は一部にはありますが、これは正しい報告でしょうか?
リアルタイムPCR検査は、不安な行為から3ケ月以降に受けても信頼できる結果が得られるのか??
この検査は、不安な行為から11日以降に受けることで、HIV-1に対する感染は信頼できる結果は得られることは、周知の事実です。
少ないHIVを化学的に1億倍に増幅させて、HIVの核酸を検査することから、ある一定量のHIVが血液中に存在すると、信頼できる結果は得られます。
ある一定量のHIVが血液中に存在する時期は、不安な行為から11日となっています、そのことから、この検査は不安な行為から11日以降に受ければ、信頼できる結果が得られるわけです。
それでは、不安な行為から3ケ月以降にこの検査を受けた場合はどうなるのでしょうか?
tag : HIV リアルタイムPCR検査
当ブログ閲覧の皆様へのお知らせ
皆様のお役に立てるよう日々、多くの方が疑問に思われているHIV/AIDSや性行為感染症に関しての情報を発信しています。
これからも多くの方のお役に立てるよう頑張っていきますので、声援をお願い致します。
訪問されました皆様へお願いがありますので、よくお読み下さい。
記
1.ブログ記事の内容に関しての質問を、「コメント欄」に書かれる方が未だ多くおられますが、「コメント欄」へ質問をされましても、回答は致しませんし、コメントの承認はせずに削除致します。
質問は、「新医学と切手の極意」の「エイズ相談掲示板」からお願いします。
ブログの「コメント欄」は、その記事に関する感想・共感した・共感ではなかった・役に立った・役に立たなかった等を書いて下さい。
2.ブログに関して、今後取り上げ欲しい記事や改良点、要望等は、当ブログ左サイド下の『ご意見用メール 』を利用して下さい。
3.ブログを読まれて、参考になったり、共感した、役に立った場合には、お手数ですが『拍手』、『ランキング投票』をお願いします。
コンドーム無しの性行為で、膣外射精をすれば、HIVには感染しないのか??!!
今日はこのことについて解説してみます。
性行為の際にコンドームを装着しないで、挿入し、性行為を行い、射精直前に、ペニスを抜き、膣外に射精する行為を膣外射精と定義します。
本来は、避妊目的のコンドーム使用を嫌い、避妊目的で膣内射精を行わず膣外射精をする行為ですが、このような行為でHIV感染は防げるのでしょうか??
結論から言いますと、HIV感染の予防にはなりません。
その理由を以下に解説します。
1.男性側
コンドームを使用しないで挿入行為をすれば、当然、ベニスと女性性器の粘膜が激しくこすれあい、ペニスに小さな傷ができます。
コンドーム無しの挿入行為は、ペニス全体が膣分泌液で覆われることから、挿入行為でできたペニス粘膜の傷口や尿道等の粘膜からHIVに感染してしまいます。
NAT検査とリアルタイムPCR検査(コバス TaqMan HIV-1「オート」)の違いについて
1.NAT検査
ウイルスの遺伝子の一部の核酸を化学的に増幅して検査します。
血液センター専用の検査で、病院や保健所では実施していません。
この検査は、「HBV」、「HCV」、「HIV」の3ウイルスを同時に検出できる検査です。
HIVに関しては、HIV-1とHIV-2を同時に検出できます。
不安な行為から11日で信頼できる結果が得られます。
この検査は、安全な輸血用血液の供給のために献血された血液中の「HBV」、「HCV」、「HIV」の3ウイルスを調べる検査法です。
HIV-1、HIV-2が同時に見つかるからといって検査目的で献血は絶対してはいけません。
tag : AIDS HIV NAT リアルタイムPCR検査 HIV-1/HIV-2
フェラチオでのHIV感染はあるのか?
フェラチオとは、男性性器のうち陰茎の部分を口に出し入れし、男性性器に対し唇・舌を使って刺激する行為を言います。
カップルの間で行なわれる場合は、性行為の前戯として行われることが多いです。
1.女性側(行為をする側)
ペニスにクラミジア・淋菌・梅毒・性器ヘルペス等の性行為感染症があれば、女性の喉に感染する危険性は非常に高くなります。
実際、この行為で喉にクラミジア・淋菌・梅毒・性器ヘルペス等の性行為感染症に感染した事例が多く報告されています。
HIVは、男性の精液に多く含まれ、また、男性が性的に興奮したときにペニスから分泌されるカウパー液の中にも含まれています。
このため、もし男性がHIVに感染していていれば、口内射精によって精液やカウパー液(含まれるHIVの量が少ないことから感染確率は非常に低い)から粘膜を介してHIVに感染する危険性は医学的には低いながらあります。
クンニリングスによるHIV感染の危険性は?
クンニリングスとは、女性の性器に口をつけ舌や唇、歯などで刺激する行為です。
それはこの行為でのHIV感染のリスクはどうなのでしょうか?
男女別に解説してみます。
1.行為をする男性
膣分泌液や生理の血液が口の中に入らない限りHIVの感染は起こりません。
行為の最中に女性が性的に興奮して膣分泌液を分泌すれば、当然口の中に膣分泌液は入りますが、量的に少なければ、感染力の非常に弱いHIVの感染のリスクは非常に低いです。
また、膣から出た血液が口の中に入れば、膣分泌液より感染のリスクは上がります。
口の中一杯に膣分泌液や血液が入り込むようなクンニリングスを行うことはまずあり得ないことから、HIV感染のリスクは低いと考えられています。
2.行為を受ける女性
男性が舌を使って性器を愛撫すれば、当然唾液が性器に着きますが、唾液の中には感染するほどのHIVは存在しないことからHIVの感染は起こりません。
唾液の中に血液が混ざっていても、少量の血液が性器に着く程度ですから感染のリスクは極めて低いです。
身体の外に出た血液や体液からのHIV感染はあるのか?
HIVは血液・精液・カウパー液・膣分泌液に含まれるリンパ球の中にいます。
血液・精液・カウパー液・膣分泌液は身体の中にあってこそ、変質しませんが、一度身体の外に出ると、固まったりして変質します、これらが固まったり変質しますとその中にいるHIVも当然変質して死滅しますから感染は起こりません。
血液・精液・カウパー液・膣分泌液は身体の中では変質しませんので、その中のリンパ球も変質しませんので、HIVは生き続けることが出来ます。
その為これらが直接生体内に入れば(コンドーム無しの性行為や肛門性交、輸血、針刺し事故など)、これらの中にいるHIVは感染します。
血液・精液・カウパー液・膣分泌液が身体の外に出て、何かに附着したとしても、その附着した血液・精液・カウパー液・膣分泌液から間接的にHIVに感染することはありません。
なぜなら、身体の外に出た血液・精液・カウパー液・膣分泌液は、変質することから、その中のHIVも変質します。
元々感染力の非常に弱いHIVは、変質することにより更に感染力が弱くなり感染しにくくなります。
HIVを故意に感染させられるようなことが現実的にあるのか???
日常生活の中には、
性行為
輸血
注射器の使い回し
医療現場での針刺し事故
等は含まれません。
これらのことは、感染リスクの高い行為として別に分類されています。
日常生活での感染はないと言えば、一部の人で、針で故意に刺して感染させるのも日常生活の中に入るから、感染はあるという人がいます。
医学的な日常生活の定義は、『カジュアルコンタクト(日常生活での接触)』です。
故意に感染させれる様な犯罪行為は、『カジュアルコンタクト(日常生活での接触)』には含まれません。
また、日本で、故意に注射器で刺して感染させるような行為があったと、正式に報告はありませんし、血液の鉄人はこのように事が実際あったという事を一切知りません。
故意に感染されるように行為に関しては、仮にあれば、刑事事件として警察が捜査して、マスコミで報道され、気をつけるように周知徹底されるはずです。
以上のことからして、日本では、HIVを故意に感染させられるようなことが現実的には存在しないと言えます。
諸外国では、このようなことがあった言う報告が散見していますが、詳細に関しては、血液の鉄人は、把握していません。
結果を早く知るためのHIV抗体検査の合理的な受け方とは!!
ケース1
?不安な行為から11日以降にリアルタイムPCR検査を受けて、HIV-1の感染の有無を調べる。
?不安な行為から12週以降に、迅速抗体検査を受けて、HIV-2の感染の有無を調べる。
??共に陰性であれば、HIV-1とHIV-2の感染は否定できます。
ケース2
?不安な行為から30日以降に第四世代の抗原抗体検査を受けて、HIV-1の感染の有無を調べる。
?不安な行為から12週以降に、迅速抗体検査を受けて、HIV-2の感染の有無を調べる。
??共に陰性であれば、HIV-1とHIV-2の感染は否定できます。
ケース3
不安な行為から12週以降に、迅速抗体検査(又は第三世代の抗体検査)を受けて、HIV-1とHIV-2の感染の有無を調べる。
この時期に迅速抗体検査(又は第三世代の抗体検査)を受けて陰性であれば、HIV-1とHIV-2の感染は否定できます。
上記3ケースの検査の受け方は、検査結果を早く知ることと、検査費用が少なくて済む検査の受け方となります。
ご理解頂けましたでしょうか?
風呂のお湯からHIVは感染するのか?
風呂の湯の中に、HIV感染者の血液や膣分泌液、精液などが入った場合、その風呂に入った人は、HIVに感染するのでしょうか?
結論から言いますと、感染は起こりません。
その理由は以下の通りです。
血液・膣分泌液・精液などがお湯の中に入っても、お湯で、これらは壊れてしまいます。
血液・膣分泌液・精液は、生体内で形を保って、壊れず生きていますので、これらの中のHIVも生存して、感染の能力はあります。
お湯の中に、血液・膣分泌液・精液が入れば、生体内とお湯では浸透圧が異なりますから、お湯の中に血液・膣分泌液・精液が入れば瞬時に壊れてしまいます。
血液・膣分泌液・精液が壊れることによってその中のリンパ球も当然壊れます、その為リンパ球の中にいるHIVも当然破壊されて死滅してしまいますから感染は起こりません。
仮に、壊れないと仮定しても、多量のお湯で血液・膣分泌液・精液は薄められてしまい、感染することはありません。
ご理解頂けましたでしょうか?
HIVとAIDSは同じものなのか??
HIVは、一般的に「エイズウイルス」と広く呼ばれていますが、正式な名称ではありません。
HIVには2種類があります。
1.HIV-1
塩基配列により3群に分類されています。
グループM(Major)、グループO(Outlier)、グループN(non-M/non-O)に分類されますが、世界的に分布しているウイルスの多くがグループMに属しています。
グループMはさらにA、B、C、D、E(後に組換え体であるCRF01_AEである事が判明。純粋なEは未発見)、F、G、H、J、Kの10のサブタイプに分類されています。
更にこのサブタイプ間での組換え体が存在し、CRF(circulating recombinant form)が15種類確認されています。
日本の感染者の主なサブタイプは、BとCRF01_AEで、サブタイプBがおよそ75%、CRF01_AEが20%、残りがそのほかのサブタイプです。
HIVに感染して、自然にHIVが体内から消失することはあるのか?
このHIV感染抗体は、生体がHIVに感染したという証拠となる抗体です。
この感染抗体は、HIVを無毒化し、体内から排除する働きはありません。
生体内に侵入したウイルスを無毒化して排除する抗体は、中和抗体と呼ばれます。
HIVにはこの中和抗体が存在しません。
その為、HIVに感染しても生体内でHIVが無毒化されて排除され消失することはありません。
従って、HIVに感染すれば、生体内のHIVは身体の免疫機能で、排除されることはなく、抗HIV薬を使用して治療しない限り、エイズを発症することになります。
しかも、抗HIV薬もHIVを直接殺すことは出来ず、HIVの増殖を抑え、エイズの発症を遅らせることしかできませんので、完全に治療することは現時点では不可能です。
多くのウイルス性疾患は、中和抗体が存在することから、感染しても中和抗体でウイルスが無毒化されて、体内から消失することから、治るわけです。
HIVには、HIVを無毒化して排除する中和抗体がないことから、感染すれば自然に治る事はありません。
ご理解頂けましたでしょうか??
HIV感染を否定するには、HIV抗体検査をいつまで受ければよいのか?
HIV-2の感染については、何時どのような検査を受ければよいのか??
注射針の針刺し事故は何故HIVに感染しやすいのか??
何故感染リスクが高いのでしょうか?
今日はこのことについて解説してみます。
HIV感染者の採血を行った注射針の中には、血液が残っています。
注射針の中は中空となっていて、血液が残ります。
この注射針を皮膚に間違って刺せば、注射針は血管の中に入り、注射針の中空に残っていた血液は、血管の中に直接は入り込みます。
血管の中に入ったHIVを含む血液は10数秒もかからないうちに全身にばらまかれることになり、感染することになります。
このような理由で、使用済みの注射針からの感染のリスクは非常に高くなります。
医療現場では、このようなことからの感染を防止するために、一度使用した注射針を間違って再使用しないように、採血後直ぐに廃棄するようにしています。
また、採血者も誤って自分の皮膚に刺さないように細心の注意を払って廃棄します。
このようなことから、採血を受ける者が、間違って使用済みの注射器を使われることはありませんので、採血時のHIV感染は起こりません。
一番危険なことは、採血者が、採血済みの注射器を廃棄する際に、自分の指などに誤って刺すことです。
細心の注意を払って、廃棄しても、針刺し事故は年間かなりの数が報告されています。
医療現場では、針刺し事故からの感染に細心の注意を払っています。
日常生活で、縫い針、虫ピン、画鋲等の針を誤って指などに刺す場合は、『針刺し事故』とは呼びません。
日常生活で、縫い針、虫ピン、画鋲等の針を誤って指などに刺す事からの、HIV感染は起こるのでしょうか?
傷のある指を膣に挿入したときにHIV感染は起こるのか??
指に逆剥けがあったり、深爪をして爪と皮膚の間に傷があったり、指にケガをして傷があったときに、その指を膣に挿入する行為をしたときに、指の傷口にHIVを含む膣分泌液や血液が付着して、HIVはその傷口から感染するのでしょうか??
このことは誰しもが持つ疑問です。
医学的にみて、HIVは傷口から感染するリスクは低いながら当然あります。
しかし、HIVの感染力が非常に弱いことと、性器粘膜から感染するという特性を持っていることから、現実は感染することはまずありません。
それが証拠に、傷のある指を膣に入れる行為だけでHIVに感染したという正式な報告はありません。
傷のある指を膣に挿入しても、その時間は短いこと、指の傷口に着く膣分泌液や血液の量は少ないことからして、感染は起こらないと考えられます。
しかし、医学的に非常に低い確率で感染のリスクがあるわけですから、指に傷があれば、その指を膣に挿入する行為は慎むべきでしょう。
あえて渦中の栗を拾うことはありません。
ご理解頂けましたでしょうか?